学会について

第7回(2010年度)日本アレルギー学会学術大会賞受賞者

第7回日本アレルギー学会学術大会賞は、第22回春季臨床大会、第60回秋季学術大会において発表された未発表の研究業績を対象として、学会誌および学会ホームページで公募、応募者19名について、2011年4月22日の学術賞選考委員会にて選考を行い受賞候補者5名を選出、5月13日の理事会において、下記のとおり受賞者を決定しました。
授賞式は、5月14日第23回春季臨床大会時の総会に引き続いて催された会員懇親会にて行われました。

受賞者(敬称略 五十音順)

片岡竜貴(京都大学医学部附属病院病理診断部)
「CEACAM1によるマスト細胞制御」
  ◆受賞論文:アレルギー Vol.61 No.6掲載
受賞理由:本研究者はマスト細胞に特異的に発現する膜抗原分子の探索中にCEACAM1と呼ばれる分子が腫瘍性のマスト細胞に特異的に発現しており、CEACAM1に対する抗体によりマスト細胞の増殖が抑制されることを示した。今回の報告によりマスト細胞の増殖や機能発現に関する理解が進み、臨床応用も期待できる優れた成果である。
釣木澤尚実(国立病院機構相模原病院アレルギー呼吸器科)
「成人喘息の治療におけるStep downの指標に対する検討」
  ◆受賞論文:Allergology International Vol.61 No.3掲載
受賞理由:本研究者は喘息治療後無症状期間6ヶ月以上の症例を対象とし、吸入ステロイド(ICS)を一年間減量した場合の臨床経過を追跡し、ICS減量の基準について検討した。その結果、減量前のアセチルコリン気道過敏性、無症状期間、%FEV1が重要であることを見いだした。臨床アレルギーに有用な優れた成果である。
中村勇規(山梨大学医学部免疫学講座)
「Period2遺伝子による即時型皮膚過敏反応の日内変動の調節」
受賞理由:アレルギー反応や副腎皮質ホルモン分泌は、体内時計分子との関連が示唆されている。本研究者は時計遺伝子の一つであるPer2が変異したマウスをもちいて、アレルギー皮膚反応がPer2に依存すること、および副腎摘出マウスではこの日内変動が失われていることを示した。古くから臨床的に経験されていたアレルギー反応の日内変動を分子機構として同定した優れた成果である。
中村亮介(国立医薬品食品衛生研究所代謝生化学部)
「培養細胞を用いた新規アレルギー試験法の開発」
  ◆受賞論文:Allergology International Vol.61 No.3掲載
受賞理由:ラットのRBL-2H3はマスト細胞の機能解析に広く使用されている細胞株であるが、ヒトのIgE抗体とは結合しない。研究者は、RBL-2H3のラットのIgE受容体をヒトの遺伝子に置き換え、ヒトIgE抗体と結合する細胞株を作成、血清中に存在する特異的IgE抗体の機能をも合わせて検証することが可能な測定システムを構築した。大変優れた成果である。
東 憲孝(国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
「アレルギー誘発反応における新規尿中PGD2代謝産物の検討」
  ◆受賞論文:Allergology International Vol.61 No.3掲載
受賞理由:研究者は以前よりアスピリン喘息の原因究明を行っており、PGD2の重要性を報告してきた。今回の研究では尿中に存在するPGD2の安定代謝産物である2,3-dinor 9α, 11βPGF2の測定方法を確立し、臨床症状との関係を示唆する結果を得た。臨床アレルギー学の発展に直結する優れた成果である。

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