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第10回(2013年度)日本アレルギー学会学術大会賞受賞者

第10回日本アレルギー学会学術大会賞は、第25回春季臨床大会および第63回秋季学術大会において発表された研究業績を対象として、学会誌および学会ホームページで公募、応募者11名について、2014年3月28日の学術賞選考委員会にて選考を行い受賞候補者3名を選出、5月8日の理事会において、下記のとおり受賞者を決定しました。
授賞式は、5月9日第25回春季臨床大会時の社員総会にて行われました。

受賞者(敬称略 五十音順) 

正田哲雄((独)国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー研究部)
「肺の組織構成細胞におけるペリオスチン産生とステロイド剤の効果」
受賞理由:ぺリオスチンはステロイド不応性の気道リモデリングに関与するとされているが気道上皮細胞由来のぺリオスチン産生はステロイドにより抑制される。このため気道リモデリングに関与するぺリオスチン産生細胞は別にあると考えられる。著者らはヒト肺由来の微小血管内皮細胞からのぺリオスチン産生がステロイド抵抗性であることを明らかにした。ステロイド抵抗性の組織の線維化に微小血管内皮細胞が関与する可能性を示した点で優れた研究であると評価された。

受賞者のコメント:
この度は学術大会賞を賜り、大変光栄に感じております。
メカニズムの詳細な解明までには至っておりませんが、その着眼点や得られた成果が臨床効果に関する科学的説明を含んでいる点を評価して頂き、大変意義があるものと感じております。
国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー研究部 松本健治部長、松田明生室長をはじめ、多くの関係者の方々にご指導とご協力を頂き、幸運にもこの成果に恵まれました。心から感謝を申し上げます。この受賞を励みに、より一層精進して参ります。
福岡あゆみ(兵庫医科大学先端医学研究所アレルギー疾患研究部門)
「IgE産生促進に働く新規2型自然リンパ球の同定」
受賞理由:著者らは、BALB/c Fas KOマウスでは血中IgEが高いため、B細胞に作用しIgE産生を促進する同マウス由来の免疫細胞の同定を行った。その結果、lineage marker 陰性、Thy-1およびSca-1陽性といった既知の2型自然リンパ球とは異なる性質を有し、Fas を発現する細胞を同定し、Fas-expressing natural helper (F-NH) 細胞と名付けた。この細胞は自然免疫と獲得免疫を繋ぐ役割を果たす可能性が示唆され、優れた研究であると評価された。

受賞者のコメント:
この度は、第10回アレルギー学会学術大会賞を賜り、大変光栄に存じます。
アレルギー学会では初めての発表で大変緊張しましたが、発表の討議の中では多数の貴重なご質問やご意見を頂き、大変有意義な経験となりました。今回のディスカッションを通して、自分の知識を深めることができ、また多面的な視点で思考するきっかけとなり、非常に勉強になりました。今回の発表や受賞の経験を励みにし、ますます研究に精進していきたいと思います。
最後になりましたが、本研究についてご指導頂いた、京都大学の米原伸教授、兵庫医科大学の善本知広教授、そしてサポートしてくださった両研究室の皆様に心より感謝申し上げます。
横大路智治(広島大学大学院医歯薬保健学研究院病態解析治療学研究室)
「加水分解小麦感作による小麦依存性運動誘発アナフィラキシーの原因抗原の解析」
  ◆受賞論文:Allergology International Vol.62 No.4掲載
受賞理由:著者らは、加水分解小麦タンパク質(HWP)に感作され通常の小麦製品摂取により小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)を呈する症例(HWP-WDEIA)の原因抗原とIgE エピトープについてリコンビナントタンパク質を作成し解析した。その結果、これらの症例ではHWP中のPEEPFPを含有するタンパク質により経皮感作を受け、γ-グリアジン中のQPQQPFPQ配列と交差反応することによりWDEIAが誘発されることを明らかにした。これらの成果はHWP-WDEIAの診断や脱感作療法に有用な知見を与えるものと考えられ、優れた研究であると評価された。

受賞者のコメント:
この度は第10回 (2013年度) 日本アレルギー学会学術大会賞を受賞させて頂き、大変光栄に存じます。ご指導いただきました広島大学 松尾裕彰教授をはじめ、本研究に携わって頂いた多くの先生方に深く感謝申し上げます。
 本研究では、加水分解小麦タンパク質 (HWP) による小麦依存性運動誘発アナフィラキシー (WDEIA) の原因抗原が従来のWDEIAと異なることや、HWP中のエピトープ配列に対する特異IgEがγ-グリアジン中の配列と交差反応することでWDEIA症状が誘発されることを明らかにしました。WDEIAの病態については、まだまだ未解明な点が多いのが現状です。今回の受賞を励みに、今後もWDEIAを含む食物アレルギーの病態解明をテーマに、少しでもアレルギー学の発展と社会的な貢献ができるような成果を目指して研究に取り組んでいきたいと思います。今後とも、皆様からの変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

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