学会について

 

第11回(2014年度)日本アレルギー学会学術大会賞受賞者

第11回日本アレルギー学会学術大会賞は、第26回春季臨床大会において発表された研究業績を対象として、学会誌および学会ホームページにて公募、応募者14名について、2014年11月21日の学術賞選考委員会にて受賞者の選考を行い、受賞候補者5名を選出、12月19日の理事会において受賞者を下記のように決定しました。
授賞式は2015年5月26日第64回学術大会時の社員総会にて行われました。
 

受賞者(敬称略 五十音順) 

意元義政(福井大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学)
「スギ花粉症の感作・発症にかかわる遺伝子の機能解析」
      ◆受賞論文:Allergology International Vol.65 No.6掲載
受賞理由:著者らは感作から発症という過程に関連する遺伝子を同定した。その結果、スギ花粉症患者で最も高発現していたのがCystatin SN (CST1) であった。CST1は感作から皮内反応が陽性になる過程で発現し、感作から発症に関連する候補遺伝子であると考えられた。本研究は、非感作状態から皮内反応陰性の感作陽性状態、および皮内反応陽性の感作陽性状態、更には発症というプロセスを明確にしこれらの遺伝子変化をとらえた点が独創的であり、優れた研究であると評価された。

受賞者のコメント:
この度は学術大会賞を賜りまして、大変光栄に感じております。ご指導いただきました筑波大学野口恵美子教授、福井大学藤枝重治教授をはじめ、本研究に携わって頂いた多くの関係者の方に深く感謝申し上げます。
これまでのアレルギー性鼻炎のメカニズムについて、環境因子や遺伝因子から論じられてきましたが、まだまだ解明されるべき点も多いと感じております。今回の研究では、臨床的評価をもとに、遺伝子発現変化を多面的に解析し、基礎実験を行うことを行いました。本結果を今後の臨床への応用に実現できるよう、この受賞を励みに、より一層精進して参ります。
竹田知広(関西医療大学保健医療学部臨床検査学科)
「血小板は恒常的に活性型IL-33蛋白を発現する」
受賞理由:著者らは気管支喘息の本態であるアレルギー性炎症の惹起に関与するとされるIL-33 が血小板に存在することを示し、IL-33 依存性アレルギー性炎症マウスモデルでその役割を証明した。また、血小板産生細胞である巨核球の細胞質にも全長IL-33が存在することを示した。これらの結果は、気管支喘息の病態への血小板の関与の機序を明らかにしたという点で優れた研究であると評価された。

受賞者のコメント:
この度は第11回日本アレルギー学会学術大会賞受賞を賜り、大変光栄に感じております。
ご指導いただきました、国立成育医療研究センター研究所 免疫アレルギー研究部 松本健治部長、松田明生室長をはじめ、多くの関係者の方々に心から感謝を申し上げます。
これまで、血栓止血領域を中心に研究されておりました血小板が、止血作用のみならずアレルギー発症の重要なサイトカインであるIL-33を発現し、アレルギー発症に関与することを明らかにしました。しかし、まだまだ詳細なメカニズムの解明には至っておりません。この受賞を励みに、より一層、血小板とアレルギー発症について精進して参りたいと思っております。
福冨友馬(独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター)
「ABPAの診断」
       ◆受賞論文:Allergology International Vol.65 No.1掲載
受賞理由:著者らは、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)の診断を目的として、当該患者及び対照患者におけるアスペルギルス・フミガタス(Af) に対するIgE抗体をAfのアレルゲンコンポーネント別に比較した。その結果、ABPAの診断には、Asp f1と Asp f2の組み合わせにより高い診断率が得られることを明らかにした。以上の結果は、アレルゲンコンポーネント別のIgE抗体測定が効率の良いABPAの診断手法であることを示しており、優れた研究であると評価された。

受賞者のコメント:
この度は、第11回日本アレルギー学会学術大会賞を賜り、大変恐縮しております。
これまで吸入性抗原、食物アレルギー、アレルギー疾患の疫学研究等、多岐にわたる研究テーマに取り組んでまいりました。本研究に限らず、多くの先生方のご指導のおかげで、これらの研究を進めてくることが出来ました。心より御礼申し上げます。医学領域のみならず、薬学、農学、理工学等の様々な専門領域のスペシャリストの諸先生方からも共同研究の中でご指導を頂き、見識を広める機会を与えて頂いていることにも深く感謝しております。
最後に、本研究について、アレルゲン学の側面からご指導いただきました相模原病院臨床研究センターの安枝浩先生、臨床医学の側面からご指導いただきました同センター長 谷口正実先生、さらに研究面、臨床面でサポートして頂きました相模原病院の諸先生方に心より御礼申し上げます。

正木克宜(慶應義塾大学医学部呼吸器内科)
「経皮感作喘息モデルマウスにおけるIL-23の役割」
  ◆受賞論文:Allergology International Vol.63 Supplement 1掲載
受賞理由:アトピー型気管支喘息の発症と増悪に抗原経皮感作が注目されている。著者らは、経皮感作喘息モデルを作成し、IL-23 の関与を検討した。その結果、抗原経皮感作期におけるIL-23の阻害は、抗原特異的なIgG1の抗体産生を阻害し持続的な好酸球性気道炎症の抑制を促す一方、抗原吸入曝露期のIL-23 の阻害は気道過敏性を亢進させた。このことは気管支喘息の改善を目的としたIL-23の阻害は抗原の経皮感作期にのみ利点がある可能性を示唆しており、優れた研究であると評価された。

受賞者のコメント:
この度は学術大会賞を賜り、大変光栄に存じます。
本研究は機序の詳細な解明にまでは迫れてはおらず、受賞の栄誉に浴するにはお恥ずかしいですが、着眼点と将来的な臨床的有用性をご評価いただき、嬉しく思います。
細部にわたるまで綿密なご指導をいただきました鈴木雄介先生、浅野浩一郎先生(現・東海大学呼吸器内科教授)、サポートを頂いた別役智子教授、福永興壱先生、加川志津子先生、天谷雅行教授(皮膚科学)をはじめ多くの方々に心から感謝を申し上げます。今後とも、皆様からのご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
柳田紀之(独立行政法人国立病院機構相模原病院小児科)
「新しい経口免疫療法:少量導入療法の試み」
        ◆受賞論文:Allergology International Vol.65 No.2掲載
受賞理由:ごく微量を摂取して症状が誘発される食物アレルギー児を対象とした従来の免疫療法においては、原因食物の摂取目標量を症状なく摂取できるようにするためには長期に渡る治療が必要になるうえ、症状誘発リスクや摂取自体が患児にストレスとなるなどの問題点がある。著者らは、目標量を従来よりも少量に設定した経口免疫療法である少量導入療法を新規に開発した。その結果、本法は従来法より生活の質を改善でき、安全かつ有効性の高い新規治療法になり得ることを示し、優れた研究であると評価された。

受賞者のコメント:
この度は、栄えある第11回(2014年度)日本アレルギー学会学術大会賞を賜り、大変光栄に存じております。このような形で我々の研究を高く評価していただきましたことは、研究遂行上、誠に意義深いものであり、身の引き締まる思いでいっぱいでございます。もとより、今回の受賞の対象である研究は、海老澤元宏先生をはじめとする相模原病院のスタッフおよび共同研究者の皆様のご指導、ご協力を得てはじめて成し遂げられたものであり、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。今回の受賞を励みと糧にして、更なる成果を求めて研究を進め、アレルギー診療の進歩にいささかでも貢献すべく全力を尽くしたいと考えております。各位におかれましては、今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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