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アレルギー診療での生物学的製剤(小児科)

更新日時:2018年5月17日

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生物学的製剤による治療は、アレルゲン免疫療法とともに医療従事者だけでなくアレルギー疾患を抱えるこどもたちや、とくに保護者のみなさんからも多くの関心を集めています。
小児のアレルギー専門診療において生物学的製剤が最も使用されている疾患は重症喘息で、現在抗IgE抗体(オマリズマブ)や抗IL-5抗体(メポリズマブなど)が使用されています。抗IgE抗体は、ダニなどの通年性の吸入アレルゲンに感作された患児に対して、抗IL-5抗体は末梢血好酸球の増多を示す患児に対して多く使われています。そして、それらの治療は喘息のコントロールやQOLの改善のみならず、合併するアレルギー疾患にも包括的に効果が期待できます。気になるのは費用的な負担ですが、生物学的製剤の使用は「小児慢性特定疾患医療費助成」の対象となります。

他のアレルギー疾患では、重症な慢性蕁麻疹においても抗IgE抗体による治療がおこなわれるようになりました。今後重症のアトピー性皮膚炎にも抗IL-4受容体α抗体が使用されてくるものと思われます。

小児のアレルギー専門診療では、いくつかのアレルギー疾患を合併し治療に難渋する患児が診療の対象となります。過去には治療手段が少ないと感じることもありましたが、アレルギー疾患に使用できる生物学的製剤が増え、様々な治療選択肢のなかから適切な治療をオーダーメードし、子どもたちを笑顔にできる!小児アレルギー診療の醍醐味を満喫できる時代が来ているといえます。

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