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ラテックスアレルギー

更新日時:2018年5月17日

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1980年頃から欧米諸国で、アナフィラキシーショックによる死亡例(米国で15例)、アナフィラキシーショック症例が多数報告されたことで大きな問題になったアレルギーです。原因は、天然ゴム製手袋、医療用具との接触が多く、日用品でも炊事用手袋、乳児用おしゃぶり、玩具、スポーツ用具、コンドームなどでも報告されています。

アレルゲンは、hevea brasiliensisというゴムの木の樹液で、natural rubber latex(NRL) と呼ばれ、すでに15種類以上のアレルゲンコンポーネントが見つかっています。このうち Hev b 6.02 は、医療従事者のラテックスアレルギー患者での特異度が高いとされています。NRLのアレルゲンは、手袋から溶出し、主に経皮感作でIgE抗体が産生されてしまいます。その後NRL製品との接触、手袋パウダーの吸引で症状を発現します。症状は、接触部位の接触蕁麻疹、全身性に拡大する蕁麻疹、アナフィラキシー、アナフィラキシーショック、ラテックスアレルゲンの吸着したパウダーの吸引による喘息発作、結膜炎、鼻炎症状がおこります。国内でもこの20年間で20例以上のアナフィラキシー症例の報告があります。手術中のアナフィラキシー症例では、薬剤アレルギーとの鑑別が大切です。

ハイリスクグループは、医療従事者、特にNRL製手袋を多用する手術場関係の医師・看護師、歯科医療従事者、NRL製医療用具を多用していた患者です。

ラテックスアレルギー患者の半数近くで、ラテックスアレルゲンと交差反応性のあるバナナ、アボカド、キウイ、クリなどの摂取で蕁麻疹、アナフィラキシーの報告があります。これは、latex fruit syndrome と呼ばれ、食物アレルギーから発見されることがあります。

予防と対策は、ラテックスアレルゲンとの接触を避けることです。現在医療用具では、ほとんどの製品でラテックスフリー化が進んでいます。手術用手袋も、性能のよい非ラテックス製手袋が販売されています。病院内のリスク管理上は、すべての医療用具のラテックスフリー化が望ましいとされています。

参考

日本ラテックスアレルギー研究会編 ラテックスアレルギー安全対策ガイドライン2013
日本ラテックスアレルギー研究会ホームページ http://latex.kenkyuukai.jp/about/

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