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アレルギー診療で重要な環境整備の指導

更新日時:2018年5月17日

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アレルギー疾患の治療では、アレルギーの原因物質であるアレルゲンを除去することが大切です。喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎では、室内アレルゲンとしてダニやカビ、動物の毛・フケなどが挙げられますが、その中でも特にダニ対策が重要です。ダニアレルギーの患者さんにはダニ対策を十分指導したうえで、それでも症状がある場合には薬物療法を行います。ここでは特に、代表的なダニ対策についてのみ述べます。

ダニ対策では、ダニの住みかとなりやすい布団に注意が必要です。布団を干して充分に掃除機をかけることが基本です。布団乾燥機も有用です。布団の丸洗いや防ダニ布団も役に立ちます。ダニ対策ではダニアレルゲンの元になるダニそのものを撃退することが大切ですが、ダニを殺すには60℃以上の熱水処理や熱風での乾燥が必要になります。布団を干すことで布団が乾燥してダニは増えにくくなりますが、生き延びたダニはすぐまた繁殖します。冷水では、ダニアレルゲンは洗い流すことができますが、生きているダニは死にません。布団の他にも床のカーペットや布製のソファー、ぬいぐるみなどにも注意が必要です。

アレルギー疾患の治療として環境整備に関する報告は数多くあります。海外の研究でも、防ダニカバーの使用によって重篤な喘息発作が明らかに減少したとする報告もみられるようになっていますが、中には無効であったという報告もみられます。欧米でも地域によりますが、乾燥していてダニの少ない家庭が多く、そこでいくら環境整備を行っても効果がないのは当然です。論文によっては、環境整備の前後でのダニアレルゲン量を測定していないものすらあるのです。環境整備が十分でなければ効果は期待できません。一方、日本で行われた研究では、環境整備の指導でダニアレルゲン量が減少するとともに、喘息発作が激減したという報告があります。さらにその報告では、ダニIgEが陰性の患児についても、環境整備で喘息症状が改善していました。ダニアレルゲンはIgE抗体との結合でアレルギー反応を惹起するだけでなく、自然免疫を動かして炎症を引き起こしている可能性がこの研究からも推察されます。

ダニ対策ではダニの特性を知り、またダニが多いところを重点的に掃除することが重要です。環境整備を行ってアレルゲンを除去することはアレルギー疾患の治療では基本中の基本であり、特に高温多湿でダニの多い日本で、環境整備の重要性を示すエビデンスをチーム日本で作り上げていこうではありませんか。

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