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皮膚疾患に対する最新のアプローチ

更新日時:2018年5月17日

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皮膚科の治療というと皆さんはどのようなイメージがあるでしょうか?
やはり、皮膚科の治療といえば、「軟膏をぬる」のでは、ということが多くの方のイメージでしょうか。もちろん、「軟膏をぬる」こと(外用療法)は、非常に重要な皮膚科における治療法であり、これまでも、また、これからも、皮膚科の治療法の中心となるものであることは間違いありません。

しかしながら、といいますか、当たり前のことながらというべきでしょうか、近年、生命科学の進展のスピードはすさまじいものでありまして、もちろん皮膚科学の分野もその恩恵を十分に受けつつあります。様々な皮膚疾患へのアプローチも、これまでとは大きく変化してきております。

例えば、乾癬という、炎症性皮膚疾患の代表ともいえる疾患があります。かつては外用療法を中心として、光線療法や免疫抑制剤投与などを組み合わせて治療することが通常でありました。免疫抑制剤を使うとかなりよくなりますが、やはり副作用を考えるとそう簡単に使える方法ではなく、そうすると治療効果についても万人に速やかな効果が期待できるとは限らない外用剤と光線療法の組み合わせによる治療法が多かったと思います。

この疾患についての病態メカニズムの解明が進みまして、どうやら、リウマチに似通った免疫状態が基盤にあるようだ、ということがわかってきました。そこで、この疾患の治療に、TNFα阻害剤、IL-12/IL-23やIL-17経路を阻害する生物学的製剤が導入されるようになりました。製剤間で多少の違いはありますが、これまでのクラシカルな治療法に比して、驚異的な改善効果を示しております。高価であることを筆頭として様々な問題をも包含しておりますが、患者さんのQOLは大きく向上したことは間違いありません。

同じようなことが、難治性慢性蕁麻疹(抗IgE抗体)、難治性アトピー性皮膚炎(抗IL-4Rα抗体)にもおこってくる(アトピーに関しては予定(2018年2月現在))と思われまして、これまで行われていた古典的な治療法が根底から覆るような新しい治療法がぞくぞくと出現してきております。

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