ニュース&トピックス

気管支喘息患者の生命保険加入に関する規定の見直しの要望書に対する一部生命保険会社よりの回答について

平成20年3月17日
社団法人日本アレルギー学会
理事長 西間 三馨

 日本アレルギー学会では、かねてより気管支喘息患者の生命保険加入問題の検討を続けておりましたが、昨年11月末に社団法人生命保険協会加盟会社41社宛、標題の要望書を提出し、一部生命保険会社から回答を得ました。結果を以下に報告します。


(2007年11月27日付送付)

気管支喘息患者の生命保険加入に関する規定の見直しの要望書

 本学会は、アレルギー疾患の治療・管理・予防に寄与することを目的とし、永年にわたりその実践と研究 に努めて参りました。これまで気管支喘息(喘息)患者より「喘息と診断されたため生命保険に加入できない」という訴えがしばしばあり、生命保険会社の喘息 に対する現状認識が時代を反映していないと考えております。
ご承知の通り、喘息はアレルギー素因による一般的な疾患です。病態の理解が進み、我が国でも1978年から吸入ステロイド薬が普及した結果、この30年 間で長期管理が大幅に改善されました。喘息の有症率は高くなっているにもかかわらず、純粋な喘息のみによる死亡の推移をみることのできる5~34歳の年齢 層でも減少は著しいものです。喘息発作による入院は激減し、我が国の喘息死総数は年間6,000名台から2,000名台に減少し、喘息患者の生活の質 (QOL)も著しく改善されました(資料1、2)。喘息の予防管理ガイドラインに基づいた基本的な治療を実践すれば、今や喘息は入院すら必要としない時代 に入ってきております。実際、誰でも罹患しうる肺炎による死亡は人口10万人あたり85.0人ですが、喘息死は人口10万人あたり2.2人と極めて低率 で、肺炎死のわずか2.6%に過ぎず、年々更に減少の傾向にあります(資料3)。
従って、喘息のために生命保険加入が今に至っても障害されるとすれば、生命保険会社の喘息に対する現状認識は時代を反映していないと言わざるを得ません。
以上、喘息治療の大幅な改善と診療の現況につきまして、生命保険協会に加盟される貴社のご理解を頂き、国民の福利厚生に深く関わりを有する生命保険会社 の役割を考慮され、時宜を得た喘息患者の生命保険加入に関する規定の見直し並びに加入差別の撤廃を強く望むものであります。ご高配の程、何卒宜しくお願い 申し上げます。

謹白

※省略添付資料:
1)喘息死亡率(年齢階級5~34歳、1950~2005年)
2)わが国の喘息死亡率(総数)の推移(1950~2006年)
3)厚生労働省平成18年人口動態統計

(回答結果一覧)

生保会社 回答主旨
A社 喘息患者の加入のお断りはしていない、但し付記条件あり、個別対応
B社 ・死亡保険は原則加入のお断りはほとんど無、但し程度により保険料割増
・医療保険は治療中の人の引受は基本的に無、但し一部条件適応、個別対応
C社 申込者に判断結果を個別に説明している、審査基準などは不公表
D社 加入差別は無い、特別保険料等付記条件で引受有り、今春リスク評価基準緩和
E社 1)引受可否は病名だけで一律に決定されるものではない
2)業界内研究によるデータとの差がある
3)入院履歴のある患者については慎重な対応をとる
4)任意加入の保険であるゆえ、経営責任、社会的責任などを総合的に判断する
F社 リスク判定施行 引受可否を判断、特別保険料徴収条件付加による引受有
喘息についての規定見直しされてきた
G社 あくまでも個別判断である、無条件、条件付、引受無、等々
疾患毎の加入基準については逐次見直し実施
H社 リスクを予測し引受の可否を判断している、結果、条件付の引受で対応
I社 加入者は増加傾向である、動向を注視して適宜規定を改定している
J社 引受の目安、医療の現状と社内基準に照らし合わせ、適宜見直しを実施する
K社 総合的な判断の結果、無条件引受、特別条件適用引受、引受無、等 さまざま
適宜基準の見直しを実施している
L社 査定基準は医療水準の向上に合わせて見直しを行ってきている
喘息と診断されたため保険加入できないという一律的な査定はしていない

 

投稿日時: 2009.07.17