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第15回(2018年度)日本アレルギー学会学術大会賞受賞者

更新日時:2019年3月22日

 第15回(2018年度)日本アレルギー学会学術大会賞受賞者

第15回日本アレルギー学会学術大会賞は、第67回学術大会において発表された研究業績を対象として、学会誌および学会ホームページにて公募、応募者9名について、2018年11月27日の学術賞選考委員会にて選考を行い、受賞候補者5名を選出、12月14日の理事会において下記のとおり受賞者を決定しました。
授賞式は2019年6月14日第68回学術大会時の社員総会にて行われる予定です。
 

受賞者(敬称略 五十音順) 

鈴木 康仁 (福島県立医科大学呼吸器内科)
「気管支喘息において喀痰/血清硫化水素比(H2S ratio)は増悪予測指標となりうる」

受賞理由:申請者は、喘息の新規バイオマーカー開発の目的で、肺血管平滑筋、気道平滑筋が産生する硫化水素に注目し、ヒト臨床検体を採取し解析した。その結果、硫化水素の喀痰/血清比が、非好酸球性喘息のコントロール状態および増悪予測のための有望なバイオマーカーとなることを明らかにした。喘息治療の個別医療への発展のためには、客観的な指標開発が臨床上重要な課題である。現状では、非好酸球性喘息については有用な指標がなく、本研究は、新たな指標を明らかにした研究として多大な意義を有すると評価された。
受賞者のコメント:この度は,第15回日本アレルギー学会学術大会賞を賜り、大変恐縮しております.細部にわたるまで綿密なご指導をいただきました福島県立医科大学呼吸器内科学講座 斎藤純平先生をはじめとしまして、ご協力いただいた諸先生方のおかげであり,心より感謝を申し上げます.本研究では,喘息患者において硫化水素(H2S)が喘息管理指標や好中球性の気道炎症を反映する指標として有用である可能性、さらに短期的な喘息増悪を予測する指標となり得る可能性を示しました.将来的には,H2Sに呼気NOやペリオスチンなどの異なる病態を反映するバイオマーカーを組み合わせることで、より正確な喘息病態の評価を行い、個別化医療に発展できるのではないかと期待しています.今回の受賞の経験を励みとし、一層精進してまいります.今後とも,皆様からのご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます.

 

平井 啓太(静岡県立大学薬学部臨床薬効解析学分野)
「喘息患者における増悪発現とNOS2遺伝子多型との関連」

受賞理由:申請者らは、NOS2 (CCTTT)n遺伝子多型と喘息患者の増悪発現との関連を明らかにすることを目的として検討を行った。その結果、NOS2 (CCTTT)n遺伝子多型はNOS2 mRNA発現量を変動させることが確認され、11リピート以下のアレルを有することにより喘息患者の増悪発現のリスクが増大する可能性が示された。本研究の結果は、喘息の増悪に関連する危険因子についての重要な知見であり、重症喘息患者の病態評価や治療に反映されるものと考えられ、今後の臨床応用が期待される優れた研究であると評価された。
受賞者のコメント:この度は、第15回日本アレルギー学会学術大会賞を賜り、大変光栄に存じます。このような名誉ある賞を賜りましたのも、ご指導頂いた静岡県立大学薬学部臨床薬効解析学分野 伊藤邦彦教授、静岡県立総合病院呼吸器内科 白井敏博先生を始めとする共同研究者の諸先生方のお力添えのお陰であり、深く感謝を申し上げます。
本研究は、重症喘息患者の病態におけるエンドタイプとジェノタイプとの関連を明らかにすることを目的に行ったもので、喘息患者における増悪発現にNOS2遺伝子多型が関与することを明らかにしました。この受賞を励みに、今後も喘息患者を含めた慢性呼吸器疾患患者の病態の層別化と病態を特徴づけるバイオマーカーの構築を目指し、研究に精進してまいります。今後とも一層のご指導を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

三田村 康貴(佐賀大学医学部分子生命科学講座分子医化学分野)
「IL-13/ペリオスチン/IL-24経路による アトピー性皮膚炎における表皮バリア破壊機構」

受賞理由:アトピー性皮膚炎において、ペリオスチンが表皮角化細胞のフィラグリン発現を低下させることが知られているが、その分子機構は不明であった。申請者らは、マイクロアレイ、およびペリオスチン、STAT6の各欠損マウスを用い、IL-13>ペリオスチン>IL-24>STAT3の経路でフィラグリン発現が低下することを明らかにした。本研究は、アトピー性皮膚炎におけるバリア機能障害の出現機序を分子レベルで明らかにし、今後の治療標的を示した点で優れた研究であると評価された。
受賞者のコメント:この度は第15回日本アレルギー学会学術大会賞を賜り、大変光栄に存じます。ご指導いただいております出原賢治先生(佐賀大学医学部分子医化学分野教授)、古江増隆先生(九州大学大学院医学研究院皮膚科教授)をはじめ、研究に携わって頂いた多くの関係者の方々に深く感謝を申し上げます。アトピー性皮膚炎発症、増悪には皮膚のバリア破壊が重要であることが知られています。本研究では、IL-13によるフィラグリン発現低下にペリオスチンを介して、IL-24が関与していることを明らかにしました。この皮膚バリア破壊の新規機序を通してアトピー性皮膚炎の病態解明、新規治療に繋がることを期待しています。この受賞を励みに、さらにアレルギー・炎症の制御に関する研究を継続していきたいと思っております。今後とも、皆様からのご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

 

 

宮田 純(防衛医科大学校 内科学講座(感染症・呼吸器))
「ヒト好酸球のマルチオミクス解析で紐解く、好酸球性副鼻腔炎・重症喘息の分子機序」

受賞理由:申請者らは、好酸球性副鼻腔炎患者の鼻茸から好酸球を単離し、刺激後の上清のリピドミクス解析やプロテオーム解析により、鼻茸由来好酸球の脂肪酸代謝異常を見いだした。さらに好酸球から抽出したtotal RNAのトランスクリプトーム解析を行い、脂肪酸やロイコトリエン代謝酵素の発現変化などから、鼻茸由来好酸球の脂肪酸代謝異常には、Type2サイトカインやパターン受容体を介する経路が重要な役割を演じることを見いだした。これらは、好酸球が慢性2型炎症を誘導する機序を理解する上で重要な研究と評価された。
受賞者のコメント:この度は第15回日本アレルギー学会学術大会賞を賜り、大変光栄に存じます。今回の研究に関しまして、ご指導とご協力を頂いた慶應義塾大学医学部呼吸器内科の福永興壱准教授、同大学薬学部代謝生理化学講座の有田誠教授、理化学研究所生命医科学研究センター統合ゲノミクス研究チームの小原收チームリーダーをはじめとする多くの皆様方に心より感謝申し上げます。
近年は複数の網羅的解析を組み合わせる手法であるマルチオミクス解析が疾患の病態解明に応用されております。本研究では難治性アレルギー疾患である好酸球性副鼻腔炎患者の鼻茸由来の好酸球にこの手法を適用し、特徴的な脂肪酸代謝異常を明らかとしました。今回の受賞を励みに、より一層精進してアレルギー疾患における臨床と基礎の橋渡し研究に取り組んで参ります。今後とも皆様からのご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。


 

 

森脇 昌哉(広島大学大学院医歯薬保健学研究院統合健康科学部門皮膚科学)
「Staphylococcus aureus isolated from atopic dermatitis skin accumulates in lysosome with inducing IL-1α via TLR9 in keratinocytes」

受賞理由:トピー性皮膚炎(AD)と黄色ブドウ球菌との関連性については以前から示唆されているが、AD の発症・増悪に対する黄色ブドウ球菌の定着の関与については不明である。申請者は、本研究において黄色ブドウ球菌株の違いによる表皮細胞の反応について解析を行った。その結果、黄色ブドウ球菌AD株はIL-1αの産生を誘導し表皮細胞のリソソーム内に蓄積する特徴を持つことを明らかにした。本研究は、AD 皮膚由来黄色ブドウ菌株が標準株の黄色ブドウ球菌とは異なる性質を持つこと明らかにした。
受賞者のコメント:この度は第15回日本アレルギー学会学術大会賞を賜り、大変光栄に存じます。ご指導いただきました広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学の秀道広教授、岩本和真助教をはじめ、本研究に協力いただいた多くの方々に心より感謝の念を申し上げます。アトピー性皮膚炎(AD)の病勢とAD皮膚の定着している黄色ブドウ球菌には関連があることが知られていますが、黄色ブドウ球菌がADの病態にどのように関連するかはあまり知られていません。本研究では、アトピー性皮膚炎(AD)患者の皮膚に定着している黄色ブドウ球菌(AD株)が、表皮角化細胞に対して標準的な黄色ブドウ球菌株とは異なる免疫応答を惹起することを明らかにしました。今後も今回頂きました賞を励みに、引き続きアトピー性皮膚炎の病態を解析し、基礎研究と臨床の橋渡しができるように精進していきたいと考えております。今後ともご指導・ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。

 

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