一般社団法人 日本アレルギー学会

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アレルギーを知ろう/Q&A

アレルギーについて

更新日時:2024年7月4日

アレルギーとは?

私たちの体には、自分自身と自分でないもの(非自己)を見分ける仕組みがあり、この働きは「免疫応答」と呼ばれています。インフルエンザやコロナなどの感染症にかかると熱が出ますが、これは外からの侵入者を見つけて排除しようとする仕組みが働いていることの表れです。

うまく免疫応答ができないと体の中に細菌やウイルスなどがとどまってしまうことになり、その人の健康に悪い影響を及ぼすかもしれません。

花粉や食べ物、家の中のホコリ、動物のふけなどはヒトを攻撃するものではなく、本来は無害であるものです。しかし、アレルギーの患者さんはそれらに対して過剰に反応してしまいます。これを「アレルギー反応」といいます。アレルギーが関係する病気としては、花粉症やアレルギー性鼻炎、ぜん息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどがあります。

春先に屋外に出るとくしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状があらわれる人がいますが、その人たちには、春に多く飛んでいるスギ花粉などに対して過剰に反応するアレルギー反応が起こっています(スギ花粉症)。

どうしてアレルギーになるのですか?

アレルギーの患者さんのきょうだいや親、子供はアレルギー疾患になりやすいことが知られており、アレルギー疾患になりやすい体質があることが知られています。

しかし、アレルギーはアレルギーを誘発する物質(「アレルゲン」と呼びます)にさらされない限りはアレルギー反応が起こらないため、アレルギーになりやすい体質があっても、そのアレルゲンにさらされなければアレルギー疾患を発症しないことになります。

多くの日本人がスギ花粉症に悩まされていますが、スギ花粉がほとんど飛んでいない北海道や沖縄などでは問題にはなっていません。

私たちが日々接するアレルゲンも時代とともに変化しており、たとえば、最近はクルミの消費量が増えるにつれてクルミのアレルギーが増えてきています。

アレルギーの検査はどんな検査がありますか?

アレルギーの検査で最もよく行われているのがアレルゲンに対する血液中の「IgE抗体」の測定です。これは採血によって行われます。抗体は、体に入ってきた異物(非自己)と反応しますが、その中でアレルギーに関係するものがIgE抗体です。

現在ではさまざまなアレルゲンに対するIgE抗体を測定することができます。値が高いということはそのアレルゲンに反応するIgE抗体が体の中で多く作られていることを意味しますが、値が高いからといって、必ずしも症状があらわれるとは限りません。たとえば、卵に対するIgE抗体が高い人が卵を食べても何も症状があらわれないこともしばしば経験されています。

皮膚テスト」もアレルギーの検査としてよく用いられています。皮膚の表面に小さい傷をつけるなどしたあとに、アレルゲンを含む液をたらして、アレルゲンと細胞を直接反応させます。アレルゲンと反応する細胞が体で作られている場合には、皮膚の赤みや皮膚の盛り上がり(膨疹)、かゆみが起こります。

アレルゲンは避けたほうがよいのでしょうか?

原因となるアレルゲンを避けることは、基本的な治療の一つです。原因アレルゲンを避けるためには、検査によって原因となるアレルゲンを特定することが必要となります。アレルゲンとなる物質は、アレルギー疾患の種類(ぜん息、アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギーなど)、その人が住んでいる地域、食生活、年齢、ペット飼育、職業などによって異なります。

アレルゲンが特定されれば、上手にアレルゲンと付き合っていく方法を考えます。アレルゲンを避けることは、アレルギー症状があらわれないようにするために重要ですが、花粉、ダニ、食べ物など、避けることが難しいものも数多く存在します。そのため、最近注目されている治療としてアレルゲンに対して徐々に体を慣れさせていく「アレルギー免疫療法」があります。これは、原因アレルゲンが特定できたら、そのアレルゲンを少しずつに注射または、口から投与していく治療方法です。

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