じんましんとは、皮膚の一部が赤く膨らみ、数時間から1日くらいで消えてしまうことを繰り返す病気です。多くの場合、強いかゆみを伴います。原因を特定できる場合とできない場合があります。
症状
蚊に刺されたときのような赤い膨らみで、大きさは、小豆粒くらいから手のひらくらいのものまでさまざまです。膨らみが消えた後は全く跡が残らないことが特徴です。
特殊なじんましんとして、まぶたや唇が膨れ上がるものがあり、これらは「血管性浮腫(あるいはクインケ浮腫)」と呼ばれます。血管性浮腫は、一度現れると2、3日かかって元に戻ります。
のどの粘膜が腫れたりすると呼吸が苦しくなることがあります。
じんましんの症状について詳しい情報はこちら
蕁麻疹(じんましん) Q1 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
分類
じんましんの種類にはさまざまなものがあり、じんましんの症状もいくつかの特徴的なものがあります。
じんましんの誘因について詳しい情報はこちら 蕁麻疹(じんましん) - アレルギーポータル (allergyportal.jp)
主なじんましんの分類
- 急性じんましん
6週間以内に治る蕁麻疹で、細菌、ウイルス感染などが原因となっていることが多い - 慢性じんましん
6週間以上続く蕁麻疹で、原因が特定できないことが多い - 物理性じんましん
皮膚の圧迫や摩擦、寒冷刺激、日光照射、温熱などにより生じる - コリン性じんましん
入浴、運動、精神的緊張などの汗をかくときに点状のじんましんがあらわれる - アレルギー性じんましん
食物、薬、昆虫の毒素などに含まれる特定物質(アレルゲン)に反応して発症し、アレルゲンに結合するIgE抗体が関与する - 非アレルギー性じんましん
非ステロイド性抗炎症薬、造影剤、タケノコなどの食物により発症し、IgE抗体が関与しない - 血管性浮腫
まぶたや唇が膨れ上がる特殊なじんましん
血管浮腫について詳しい情報はこちら 蕁麻疹(じんましん) Q15 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
治療
じんましんでは、抗ヒスタミン薬などの飲み薬を中心とした治療が行われます。このほか、胃薬や免疫を調整する薬などが、症状に応じて用いられることもあります。
アレルギーなどの原因が明らかな場合は、原因を回避することが大切です。
原因が特定されない慢性じんましんで、抗ヒスタミン薬などの適切な治療を行っても改善しない場合に、注射薬を使用する場合があります。注射薬は、ヒスタミンが出るきっかけになるIgE抗体をブロックする薬で、これまでの飲み薬を継続しながら、月1回皮下注射をします。
食物や薬、昆虫の毒素などによりじんましんとともにアナフィラキシーショックが起こった場合はアドレナリン筋肉注射/アドレナリン自己注射薬(商品名:エピペン)が必要です。
蕁麻疹の治療について情報はこちら
蕁麻疹(じんましん) - アレルギーポータル (allergyportal.jp)
Q&A
- じんましんがあらわれたときにアレルギー検査を受けたのですが、特に異常はありませんでした。原因がよくわかりません。
- じんましんは、感染や疲労・ストレスなどのように、アレルギー反応に関連しないことが原因になることも多いともいわれていて、原因がわからない場合もあります。
食物との関連についての情報はこちら
蕁麻疹(じんましん) Q5 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
- じんましんはストレスが原因であらわれるのですか。
- ストレスはしばしばじんましんを悪化させる要因となります。食物、物理的刺激などの明らかな原因や誘因がある場合はストレスの影響はあまり目立ちませんが、毎日のように繰り返し症状があらわれるじんましんでは、心身のストレスにより症状が悪化することが多いようです。
じんましんとストレスについての情報はこちら
蕁麻疹(じんましん) Q9 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
- じんましんと診断されて、薬を飲んでいましたが、薬を飲むのをやめると症状があらわれます。毎日飲んだほうがよいのか、それとも症状があらわれるときだけ飲んだらよいのでしょうか。
- 多くの場合は、薬を飲むとじんましんはあらわれなくなりますが、薬を止めるとまたじんましんがあらわれるようになります。そのため長く続いているじんましんの患者さんは、長い期間薬を飲み続けることが必要です。
じんましんの経過についての情報はこちら
蕁麻疹(じんましん) Q16 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
- じんましんが繰り返しあらわれます。アナフィラキシーショックが心配です。
- 食物アレルギーや薬剤などでじんましんがあらわれる場合には、呼吸器の症状、消化器の症状なども起こることがあります。一方で、アレルギー反応が関係しない原因が不明のじんましんや、ストレスなどが原因のじんましんでは、アナフィラキシーが起こることは通常ありません。