就労環境によって皮膚症状が起こるものを職業性皮膚疾患と呼びます。
接触皮膚炎(かぶれ)、じんましん、アナフィラキシーが起こります。
原因・症状
職業と関連した接触皮膚炎(かぶれ)の主な原因には、金属、樹脂、ゴム、農薬、切削油、洗剤、染毛剤、植物、セメントなどがあります。これらのものと接した皮膚が赤くなってかゆくなったり、ブツブツができたりします。
職業と関連したかぶれについて、詳細な情報はこちら
皮膚疾患 | 仕事のかぶれ情報サイト | 日本 (uoehkabure.com)
職業性皮膚疾患NAVI (johas.go.jp)
かぶれ Q9 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
職業 | 主な原因 |
---|---|
製造業(工場) | 塗料、金属、界面活性剤、エポキシ樹脂、ゴム、切削油 |
美容師 | 染毛剤、ブリーチ剤、ゴム手袋、パーマネントウェーブ液、界面活性剤 |
医療従事者 | 消毒剤、歯科用材料(レジン)、ゴム手袋 |
職業性アレルギー疾患診療ガイドライン2016を参考にして作成
職業と関連したじんましん・アナフィラキシーの主な原因には、天然ゴム(ラテックス)(医療従事者など)、ハチ毒などの昆虫による刺咬傷(森林での作業、庭師など)、食物(調理師など)などがあります。接したり刺された皮膚に、蚊に刺されたときのような赤い膨らみが生じたり、呼吸困難、ぜん鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)などの症状が起こる場合もあります。
ラテックスアレルギー
ハチ毒アレルギーについて詳しくはこちら
虫さされ Q9 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
虫さされ Q10 - 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会) (dermatol.or.jp)
診断
アレルギーの原因を特定するために、接触皮膚炎(かぶれ)ではパッチテスト、じんましん・アナフィラキシーでは血液検査、プリックテストなどを行います。
パッチテスト
接触皮膚炎 - 診断
血液検査
ラテックス、ハチ毒、食物などに反応する特異的IgE抗体の量を調べます。
プリックテスト
原因として疑われるものを専用の針につけて少し皮膚に押しつける、という検査です。押しつけた部分が虫刺されのように膨らむかどうかを調べます。
ラテックスアレルギーの検査について
ラテックスアレルギー
対策
職業と関連している症状の場合、事業所の産業医または安全衛生担当者に連絡し、アレルギー専門医に相談してください。
原因を回避・除去するための対応をとります。作業内容の変更が難しい場合、手袋、防護衣などの保護するものを着用します。
皮膚炎には、ステロイド薬の塗り薬、抗ヒスタミン薬の飲み薬などで治療します。医師と相談し、過去に強いアナフィラキシーの経験があり、その危険があると考えられる場合は、アドレナリンを自分で注射するアドレナリン自己注射薬(商品名:エピペン)を携帯しましょう。
職業性皮膚疾患 Q&A
- ゴム手袋でかぶれる場合はどうすればよいですか?
- ゴム手袋によるかぶれの主な原因は「加硫促進剤」という添加剤です。
塩化ビニルやポリエチレンの手袋を使用しましょう。また、加硫促進剤を含まないゴム手袋も販売されていますので、それを使用しましょう。
- 調理師で、特定の食物を触るとかゆくなります。アレルギーでしょうか?
- 調理師などのように頻繁に食物を素手で触っていることにより、接触する部位にかゆみ、じんましんが生じるようになり、さらに進行すると、その食物を食べることにより全身にじんましんが出現するなどのアレルギー症状が起こる場合があります。アレルギー専門医に相談しましょう。
- どこの病院でアレルギーを診てもらえるかがわかりません。
- 各都道府県ではアレルギー疾患拠点病院が設置されています。アレルギーポータルにて各都道府県の拠点病院を調べることができます。また、日本アレルギー学会の検索サイトでは、ご自宅から近い場所や通院しやすい場所のアレルギー専門医を検索することが可能です。
パッチテストをよく行っている(日本接触皮膚炎研究班)施設はこちら