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新専門医制度の開始に伴う施設認定基準の変更及び申請について

更新日時:2021年4月1日

2021年 4月 1日

一般社団法人日本アレルギー学会
          会員 各位

 

一般社団法人日本アレルギー学会

                                理事長 出原 賢治

同 新専門医制度対策特別委員会

                                委員長 新実 彰男

【重要】新専門医制度の開始に伴う施設認定基準の変更及び申請について

 

拝啓 時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、アレルギー専攻医の基本領域である内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科の新制度での研修が2018年(小児科、耳鼻咽喉科は1年早く2017年)から開始されました。「サブスペシャルティ領域」における新専門医制度への移行につきましては、昨年7月に日本専門医機構(以下、機構)から「サブスペシャルティ領域専門研修細則(以下、細則)」が発表されました。細則に従い、アレルギー専門研修に関して以下の方向性が示されました。

 

【アレルギー新専門医研修に関する機構による決定事項】

・基本領域の研修終了後に研修を開始する(連動研修は行わない)「通常研修方式」を取る。

・5つの基本領域(内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科)を基盤とする専門医の数がいずれも全体の50%に満たないため、サブスペシャルティ領域分類の「カテゴリーC」に分類される。

・各サブスペシャルティ領域は、各々が最も密接に関連する基本領域学会によって統括される「サブスペシャルティ領域専門医制度連絡協議会(以下、連絡協議会)」に所属するが、カテゴリーC 領域が所属する連絡協議会を担当する基本領域は、原則として最も専門医数が多い基本領域学会とし、その他の基本領域学会の同意を得る。以上の機構の方針に従い、アレルギー領域は専門医数が最多(46%)の内科(内科学会)が担当することを機構との協議で決定し、内科以外の4基本領域に承認されたので、アレルギー領域は内科学会が担当する連絡協議会に加わって協議を進めて行く。

 

【上記を受けての新専門医制度対策特別委員会での審議を経た理事会決定事項】

以下の内容は追って2021年6月20日の定時社員総会の承認を得るものですが、早期の周知が重要と判断し理事会の了解のもとにお知らせします。2021年4月以降に機構からの推薦委員を含む「アレルギー専門医検討委員会」が設置され、機構の指導・助言の下で学会が提出したカリキュラムや整備基準を改変、確定していくため、理事会で一旦承認された方針に変更が生じる可能性があることにもご理解をお願い申し上げます。

 

〇新専門医制度による専攻医研修の開始時期は、2022年4月です(基本領域研修期間が5年と⾧い皮膚科のみ、2023年4月開始)

皮膚科のみ開始が1年遅れることについては、全科で新制度開始を2023年にすることなどによる解決策を検討し続けて来ましたが、他のサブスペシャルティ領域と歩調を合わせて2022年に開始すべし、とする機構及び厚生労働省の強い指導を最近になって受けたことにより叶わなかったことを申し添えます。

 

〇研修カリキュラムは全科共通のものに改定され、研修期間は2年間に短縮されます

新制度では、以前から「5つの基本領域において、単一かつ同じ水準のアレルギー専門医を育成する」ことを目指すように機構及び厚生労働省から求められてきましたが、最近になって「カリキュラム・試験共に基本領域による差は認めない(完全に単一にする)」との方針が示されました。基本領域による個別カリキュラムや到達目標の濃淡は認められないルールです。このことから、基本領域に拠らずに研修・修了が可能なコンパクトなカリキュラムに改定する必要が生じました。さらに、細則ではアレルギーが該当する「通常研修方式」の

研修期間は2年以上と定められていることから、カリキュラムのコンパクト化と連動して研修期間を旧制度での3 年から2年に短縮することとしました。新研修カリキュラムは現在鋭意作成中です。

 

〇新制度での専門医認定試験を2024年度より開始します

新制度では、カリキュラムの単一化と連動して専門医認定試験も全科共通問題となります。現行制度の試験は2023年度までで終了し、2024年度以降は全科共通の新制度での試験のみ実施します。例えば、2022年4月に新制度でアレルギー研修を開始した方は、最短で2024年度に新制度の認定試験を受験し、機構認定専門医となる見込みです。新制度による研修及び認定試験受験は、基本領域専門医を新制度(機構認定)で取得した方のみに資格があります。

基本領域専門医を現行制度(学会認定)で取得した方も、2024年度以降も現行制度による受験資格要件を満たしていれば、新制度での試験問題(全科共通)での受験が可能です。その場合は学会認定専門医が付与され、5 年後の更新時に機構認定専門医に移行する流れを現時点では想定しています。

ここまでの内容は、「理事会ニュース No.2」(3月17日付学会メール配信)及び会員向けアナウンス(3月26日付けメール及び学会HP)にて既にお知らせしておりますが、教育認定施設の認定基準や研修システムが新制度で大きく変わるため、教育認定施設の皆様にその詳細を以下にお知らせいたします(会員向けアナウンスにも概要は記載しています)。

 

専門医教育研修施設の認定基準、研修システムなどの変更について

新しいアレルギー専門医育成のための教育研修施設は、「5つの基本領域において、単一かつ同じ水準のアレルギー専門医を育成する」という厚生労働省の方針に基づき、基本領域により異なる現制度のルール(「認定施設(内科)」「認定施設(小児科)」などの形態)から、施設毎の認定となります。

●診療科毎の認定はなくなり、施設毎の認定となります。

 

旧制度: ~~病院(小児科・耳鼻咽喉科)、~~医療センター(皮膚科)等の施設の診療科単位で認定

 新制度 ~~病院、~~医療センター 等の施設単位で認定

これまでは、例えば~~病院(内科)、~~医療センター(皮膚科)のように診療科毎に施設認定していました。

更に、指導医の有無や診療科によって正施設・準施設の分類がありました。

新制度では、施設毎の認定となります。

 

●「基幹施設」「連携施設」「特別連携施設」により施設群が構成されます。

 

新制度での施設基準は以下の通りです。

<基幹施設基準>

  1. 医学部を有する大学病院・基幹型臨床研修指定病院・総合病院又はこれに準ずる病院であること
    ※上記の条件を満たす医療機関が都道府県内に存在しない場合には、特例として
     都道府県アレルギー拠点病院であること
  2. アレルギー疾患の症例(外来を含む)が年間100例以上
  3. アレルギー学に関する教育が所定のカリキュラムに従って定期的に行われていること
  4. 各種院内講習会や研修管理委員会等が設置されていること
  5. 指導医1名以上が在籍(常勤)すること
    ※日本アレルギー学会指導医や専門医が在籍しない領域(内科、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科)については、当該基本領域の専門医1名が在籍(常勤)することが望ましい。

<連携施設>

日本アレルギー学会指導医1名または専門医1名が在籍(常勤)する病院

<特別連携施設>

日本アレルギー学会指導医1名または専門医1名が在籍(常勤)する診療所

基幹施設を中心にこれらの施設と施設群を形成し、連携施設や特別連携施設での研修を可能とすることにより、研修へのアクセスの地域差や地域医療に対して配慮します。

現行制度では、皮膚科・耳鼻咽喉科・眼科では、専門医1名の勤務により「正施設」認定され、また内科・小児科では専門医1名で「準施設」に認定されました。新制度では専門医1名では基幹施設の資格は喪失し、連携施設として基幹施設を中心とした施設群の研修プログラムに加わっていただく事となります。

現行制度と新制度での施設認定基準比較

●新制度での研修期間は2年になります。

 

現行制度では、正施設に所属している期間が3年(準施設の場合は所属期間の3分の2として計算)以上あれば専門医申請要件に有効で、予めの登録なしでも「後ろ向き」に申請が可能でした。新制度では、研修開始時に「前向きに」基幹施設を中心とする施設群の研修プログラムに登録していただき、登録から2年間研修を受けていただきます。研修成果の記録及び確認は研修手帳を使用します。

仮に基幹施設に所属していなくても、施設群の連携施設や特別連携施設に所属し、専門医研修プログラムに参加していれば専門医申請が可能です。

なお、現行制度では、研修開始から専門医取得までの期限は設けておりませんでしたが、新制度では期限を設定する方向で検討しています。

 

●教育研修施設以外での臨床研修(専門医制度規程第32条)の特例措置はなくなります。

現行制度では、研修施設での必須研修期間を満たしていなくても集中研修(相模原臨床アレルギーセミナー)、専門医認定教育セミナー、実地研修(外来見学実習)などの受講(専門医制度規程第32条)により、専門医申請要件を満たすことはできましたが、新制度ではそのような特例措置は認められません。必ず基幹施設を中心とする施設群の研修プログラムに登録してから2年間の研修が必要になります。ただし既に述べたように、基幹施設への在籍は必須ではありません。なお、集中研修・専門医認定教育セミナー・実地研修の新専門医制度での単位や業績としての取り扱いについては、現在新専門医制度対策特別委員会で検討中です。

新専門医制度研修は2022年4月から開始されます。

それまでに、日本アレルギー学会に入会し、アレルギー領域の研修を開始された方については、現行の専門医制度カリキュラムに則った研修を継続していただく事が可能で、その間は現行制度の研修施設も存続します。(※2024年度以降に試験を受ける方には新制度による全科共通問題の試験を受験していただきますが、旧制度による学会認定専門医の取得となります。次回更新時に新制度による機構認定専門医へ移行していただく見込みです。)

アレルギー新専門医を目指す専攻医にはご自身の地域の施設群に所属し、基幹施設による専門医研修プログラムに登録する事が必要になります。施設群は、同地域にある基幹施設と連携施設や特別連携施設とで形成されます。基幹施設(プログラム統括責任者)には、連携施設や特別連携施設に所属する専攻医への評価やフォローアップを行っていただきます。

現行制度において教育研修施設としてアレルギー研修に貢献いただいている「医学部を有する大学病院・基幹型臨床研修指定病院・総合病院又はこれに準ずる病院」で、仮に指導医が不在もしくは非常勤の場合、新制度での基幹施設の資格を喪失します。都道府県などの地区単位での基幹施設の数が少ない地域ではアレルギー研修が困難となる可能性があります。ご施設で基幹施設の資格を維持していただき、地域ひいては全国の基幹施設数を確保するために、指導医資格を有する専門医に指導医の申請を早めに行っていただくよう切にお願い申し上げます。

なお専門医から指導医への申請は随時行っております(毎月10日締め、翌月に認定)。

<指導医認定基準>(下記URL参照)

  1. 申請時に本学会の専門医であること

  2. 15年以上の臨床アレルギー学の経験を有すること

  3. 本学会認定アレルギー専門医教育研修施設又はそれに準ずる診療施設に勤務しアレルギー診療に従事していること

  4. 最近の5年間に別に定める「論文発表による業績の申請について(内規)」※1に記載のアレルギー関係の学術雑誌への論文発表5編以上(共著含む)

  5. 最近の5年間に別表1※2に記載の学会、研究会でのアレルギー関係の学会発表10回以上(共演を含む)

※1論文発表による業績の申請について(内規): https://www.jsaweb.jp/uploads/files/naiki.pdf

※2別表1:
 https://www.jsaweb.jp/modules/specialist/index.php?content_id=7

新制度での研修施設への申請については、指導医の新規申請による基幹施設の確保状況確認や、「アレルギー専門医検討委員会」での機構との折衝などの後に学会HPで情報公開しますので、暫くの猶予をいただきたく、宜しくお願い申し上げます。

 

 本件に関するQ&A(FAQ)も追ってHPに掲載する予定ですのでご確認をお願いいたします。

 

 

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