2022年3月11日
日本アレルギー学会
会員および関係者 各位
一般社団法人日本アレルギー学会
理事長 海老澤 元宏
新専門医制度対策特別委員会
委員長 新 実 彰 男
【重要】新制度でのアレルギー専門研修開始の延期について
拝啓
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さてこの度は、会員および関係者各位に大変重たいお知らせとお詫びをしなければなりません。結論から申し上げますと、日本専門医機構(以下機構)に提出していたアレルギー領域の修正整備基準について、「承認を保留する(再修正整備基準の提出期限:2022年9月末日)」という審査結果の通知が2月下旬にあり、2022年4月の開始を予定していた新制度でのアレルギー専門研修の延期を余儀なくされました。
経緯を簡潔に述べますと、昨年11月の時点で、アレルギーを含む通常研修を行う領域には機構の指摘に則り整備基準を修正して認定を得るよう指導されました。そして「2022年4月から暫定的に学会による新制度での専門医研修を開始することを認める」「上記で研修を開始した場合でも専攻医に不利益が生じないように、研修歴を遡って認定を行う」との説明があり、整備基準の修正と4月からの研修開始に向けた準備を鋭意進めてまいりました。
しかし、今回の上記機構からの「承認保留」の審査結果に付記された個々の委員によるコメントには、「アレルギー領域専門医は内科のみを基本領域とすることが適当と思われる」「学会認定、機構承認の方がしっくりくる」と列記されていました。審査結果及びコメントは機構の「専門研修プログラム委員会・サブスペシャリティ領域検討委員会での意見」及び「理事会での審議結果」として報告されたものです。また他の多くのサブスペ領域への審査結果においても類似の表現がなされていることから、日本内科学会は同機構に質問状を発出しました。
上記の経緯から、当学会でも急遽「新専門医制度対策特別委員会」を3月2日に開催しました。従来の方針による5基本領域による研修を4月から開始し、それに則った修正整備基準を提出しても、上記コメントを鑑みると承認されない懸念もあり、その場合には専攻医、研修施設、会員各位に多大な不利益と混乱をもたらすと考えました。そこで4月からの新制度研修開始を一旦延期し、当領域からも機構に質問状を発出し、その回答を待って今後の方針を検討することとしました。そして翌3日に開催した臨時理事会で承認を得ました。
新制度での専門研修への応募を検討いただいていたアレルギー専攻医志望の皆様、また大変な無理を申し上げて極めて短期間で施設群(プログラム)の構築や専攻医の受け入れをご準備いただいていた各ご施設のアレルギー指導医・暫定指導医・専門医、研修指導医、その他のスタッフや関係者の皆様におかれましては、このような事態により大変なご迷惑をお掛けすることを深く陳謝申し上げます。これまでも今後の情勢の不確実性はお伝えしておりましたが、ここまでの激変は想定外であり、アレルギー領域として先ずは機構の意向を確認した上で今後の方針を検討し、改めて周知しますので、何卒ご理解、ご協力の程宜しくお願い申し上げます。
なお、4月から再開予定であった暫定指導医申請や基幹施設新規申請については、方針が決定するまで保留といたします。現行制度によるアレルギー専門医試験は当面継続して行いますことを、現行のアレルギー専門医取得をすでに目指して研修中の皆様、これから検討される皆様に改めてお伝えさせていただきます。
会員および関係者の皆様には大変なご迷惑とご心配をおかけしていることを重ねてお詫び申し上げます。
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
敬具